書評

ビジネスで差別化するためには、同じことをしないとダメ

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仕事でご一緒させてもらう経営者やフリーランスの方の口から「差別化」という言葉をよく耳にします。
「競合がどんどん増えてくるので、うちも差別化しないと」とか。
「あそこの会社は差別化がうまくいって儲けている」とか。
競合する他社と同じことをやっていてはダメ。
他とは違う付加価値を提供していかないと新しいお客さんを獲得できない。
それどころか、既存のお客さんも先んじて差別化した他社に持っていかれてしまいます。
生き馬の目を抜くビジネスの世界では、競合に勝ち抜くための戦略のひとつとして「差別化」は非常に大切です。

でも、時々この言葉を聞いた時に違和感をもつ時があります。
それって「差別化なの?」と。
すでにビジネスの世界に存在する商品やサービスではなく、誰もやっていないことをやればいいという思い込みから、差別化を「奇をてらうこと」と捉えている場合があります。
差別化はけっして目立つことではありません。もちろんビジネスでは注目を集めることは大切ですが、それは差別化することとは違います。

差別化とは、単に「奇をてらう」ことではなく、他社との相違点がお客さんにとって付加価値となっていなければいけないのです。
お客さんが付加価値を感じ取っているから、他より値段が高くても買いたいとか、またお願いしまいとか思ってもらえるのです。
したがって、差別化は思いつきや偶発的なものではないのです。そこには考え抜かれた戦略が必要です。

よい例がコンビニエンス業界で起こりましたのでご紹介しましょう。
「コンビニコーヒー」です。
コンビニコーヒーは、セブンイレブンが業務を開始した頃から何度となくチャンレンジしてはうまくいかず試行錯誤を繰り返してきました。
ようやく2013年になってセブンカフェとしてスタートしたら大ヒット! この年の日経のヒット番付でも横綱にも輝きました。
すると、それまでカフェラテしか販売していなかったローソンやファミリーマートが後を追うようにコーヒーの販売を開始しました。
さらにセブンイレブンは二匹目のドジョウを目論んだのかどうかはわかりませんが、コーヒーの次はドーナツだということでドーナツの販売に乗り出しました。すると、また他のコンビニでもドーナツの販売を開始しました(結果的にドーナツの販売はぱっとしませんでしたが)。
さすがに競争が激しいコンビニ業界です。差別化するためには、同じ土俵にのるための同質化をしないといけないことをよく知っています。
差別化と平行して他社と同じこともしないといけないのです。
コンビニで差別化するためには、コンビニとコンビニを比較します。
間違ってもコンビニとスーパーマーケットは比較しません。
コンビニとスーパーマーケットなら、もともと違うから差別化する必要はありません。
もしコンビニで勝負するならコンビニ業界で同質化しないといけないのです。
そのうえで、商品の品揃えが豊富であるとか、店員の接客サービスのレベルが高いとか、ここにしか置いていない商品が買えるとか。このようなことが差別化になり、お客さんにとって価値になり、それが強みになっていくのです。

もうひとつご紹介しましょう。
先日、美容室の新規開業が増えて過当競争になっているというニュースを見ました。
数年前にカリスマ美容師が流行して、その頃に美容業界に飛び込んだ若者が、ちょうど修行を終えて独立するタイミングのようです。
技術力が問われる競争の激しい業界なので、美容師も技術力向上に努力を惜しみません。
したがって、閉店せずに営業を続けている美容室は技術もしっかりしているのです。
その一方で、技術が拮抗してきており、差別化することが難しい業界です。
ニュースでは、ある美容室がイタリア料理店も経営して、そこの厨房に美容師が立って、接客をしていました。
そして、イタリア料理を食べに来たお客さんに美容師であることを伝え、来店を促していました。
しかも嫌味なくサラッと。
これも他の店と同じ土俵に乗っているからできることです。
美容室で同質化できているからイタリア料理店で差別化ができているのです。
オーダースーツを併設している理容室も紹介されていました。
単に髪の毛を切ってヒゲを剃るだけではなく、お客さんに合ったスーツも提案してトータルで男性客のニーズに応えようという差別化戦略です。
これも同質化している理容室だから実現できる差別化です。

差別化戦略では、差別化することを考えるのはとても大切です。
自社を取り巻く外部の環境動向を評価して、自社内部のリソースも吟味して、他社と比べてどのような違いを出していくか考えて考え抜きましょう。
でもそれだけではダメです。
他社もやっていることと同じこともしっかりとやっておくことが大切なのです。
お客さんが違いに気づいてもらいやすいように。
そのうえで、はじめて差別化するということが効果を発揮します。

  • この記事を書いた人

Koshiyan

コンサルタント(ITと人材育成が専門)、投資家▶【経歴】以前は転職をサポートする仕事をしていました。その後ITの仕事をするようになり、今はコンサルタントをやっています。▶【趣味】旅、食べ歩き、全国の名居酒屋巡り、映画鑑賞、読書▶個人の働き方の多様性に関心があり、これからは複数の収入源をもつ時代だと思っています。独立を目指す方に有益な情報を発信していきます。

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