前回紹介したPEST分析によって、自分を取り巻く環境をマクロの視点から俯瞰しました。
https://koshiyan.com/archives/1653そうすると「なるほど、これからこんなことが起こりそうだな」という感触を得ることができます。
そこから「じゃあ何をやるか」を形作っていくのですが、ここはストーリーとし文章に落としていくのがいいと思いますおす。
ストーリーで書くと3つの利点があります。
- 自分が深く納得できる
- 読み手への説得力が上がる
- 後で読み返した時に思考回路が追える
ストーリーと言ってもそんなに難しいものではありません。
粗筋はこんな感じです。
今の状況はこんな感じ。
↓
だからこんな風に変わるかもしれない。
↓
もしそうなればどうしたらいいのか?
↓
その答えはこれです。
簡単な具体例を入れるとこんな感じになります。
パンデミックで人々の行動が制限され、しばらくは対面を避けたいという心理が働く。
↓
物理的に人と接することのないオンライン研修をしたいという企業ニーズが急増するかもしれない。
↓
オンライン研修による新ビジネスモデルが必要になるのではないか?
↓
その答えは、オンラインの研修コンテンツサービスをサブスクリプションで提供する。具体的には・・・。
このストーリーを構成するフレームワークが「SCQA」です。
SCQAとは
ストーリーにするフレームワークとして一番メジャーなものは起承転結があります。
SCQAはよりビジネスモデルを考える時に有効だと思います。
SCQAとは、Situation(状況)、Complex(複雑化)、Question(疑問)、Answer(回答)の頭文字です。
ひとつずつ説明していきましょう。
Situation(状況)
ここでは「安定した状況」を記述します。
読み手も既に知っていて「いまこういう状況ですよね」と書き手と読み手の双方が合意できる内容です。
ここはPEST分析に挙げた情報から抽出してもいいと思います。
Complex(複雑化)
これがわかりずらいんです。
「複雑化ってなに?」とずっと思っていました。
SCQAフレームワークを詳しく解説している「考える技術・書く技術~説得力を高めるピラミッド原則~」にヒントがありました。
導入部の“複雑化”とは日常使う複雑化とは意味が違います。物語が“複雑化”するということであり、安定した状況の変化を記述することです。
「考える技術・書く技術~説得力を高めるピラミッド原則~」より
つまり社会の流れを不安定な状況に変えようとするようなこを書きます。
「何かがうまくいかないかもしれない」
「何かが変わるかもしれない」
「今まで以上に選択肢が増えようとする」
「ニーズがかわろうとする」
Situation(状況)から「確かにそうなるよね」と感じることを書きます。
Question(疑問)
Complex(複雑化)した場合に対する疑問です。
「じゃあ何をしたらいいのか?」「ではどうすればいいのか?」あるいは「どうすればそれを防ぐことができるのか?」
そういった疑問を書きます。
Answer(回答)
Question(疑問)に対する回答や解決を記述します。
上記でも紹介した「考える技術・書く技術~説得力を高めるピラミッド原則~」では、そのストーリーで伝えたいと思うトーンによって並びを変更してもよいと書かれています。
- 熟慮型では状況→複雑化→解決
- 直接型では解決→状況→複雑化
- 懸念型では複雑化→状況→解決
このように詳しく解説されています。
ご興味のある方は書籍にあたってみてください。
まとめ
SQCAでまとめたストーリーは新規事業の企画書に書くと読み手に伝わりやすいので、大変有効なフレームワークです。
フレームワークを使えば、効率的に考えをまとめることができ、読み手(聞き手)も同じようにフレームワークの認識をもっていれば、より伝える効果も高くなります。
その一方でフレームワークに縛られる過ぎるのも逆効果です。
フレームワークはあくまで定石と捉えて、必要に応じて自分なりにカスタマイズして使いこなせるようになりましょう。