先日クラウドファンディングのセミナーに参加してきました。
セミナー終盤のQ&Aコーナーで、オーディエンスから「うまくいくクラウドファンディングの共通点みたいなものってありますか?」という質問がでました。
この質問に対する登壇者の回答が興味深かった。
登壇者の回答は
「共犯者をつくれる案件はうまくいっている」
というものでした。
共犯者?
どういうこと?
具体的な事例を紹介してくれました。
それを聞いて納得できました。
とある古民家をカフェに改装するという購入型のクラウドファンディング案件の話でした。
出資する(お金を出す)と、なんと「古民家の壁を塗ることができる」権利が手に入るという募集内容だったそうです。
普通、壁は業者にお金を支払って塗ってもらうものですよね。
でも、この事例ではお金を出して、壁を塗る権利を買うというもの。
でもよくよく考えると、たしかに壁を塗るってなかなか日常で体験できないんてすよね。
お金出すから塗らしてといってもなかなかそういう機会がない。
だから「壁を塗る」という体験そのものがとても価値があるように思える。
結果として、予定を大きく上回って公募額が集まったらしいです。
そして、この話には続きがありました。
壁を塗れる権利を購入した方は当然カフェの壁を塗るという体験をします。
他の購入者と一緒にとても楽しい壁塗り経験を共有することになるのです。
そうすると、壁を塗ったカフェに感情移入するから、カフェがオープンするとそこに友達とか知り合いを連れてくるんだそうです。
なるほど。たしかに共犯者だ。
クラウドファンディングを通じて、一緒に目標達成への共犯者をつくりあけでしまった。
この話を聞いて考えました。
市場型が進むビジネスの世界では、誰に対してどのような価値があるのかを見いだす力が求められるようになってきています。
その時に論理的に価値算定するアプローチもあると思いますが、このカフェの事例のようにリアルな現場を直視して「売れるものに気づく力」をつける非論理的なアプローチも大切だと思いました。