情報過多の時代にインプットに凝りだしたらキリがありせん。
新規事業を立ち上げるときも市場調査に莫大なコストと時間を費やす方を見かけますが、過剰な情報収集は無駄です。
いま必要なのは限られた情報を活用して新しい価値を生み出せる力です。
そのためにはフレームワークを使いこなせるスキルを身につけることはとても重要です。
今回からビジネスで使えるフレームワークを紹介していきます。
初回の今回は「PEST分析」です。
ビジネスフレームワークを使う場合の注意点
ビジネスフレームワークは組み合わせて使います。
たとえば今回紹介する「PEST分析」もそれだけでは何も完結しません。
「PEST」で分析した結果から次は「SCQA」でビジネスストーリーに落とすといったプロセスを経て効果を得ることができます。
したがってプロセスを理解を把握して使うことが大切です。
新規事業を立ち上げるプロセスは次のとおりです。
そして「PEST分析」は①の環境把握フェーズの最初に使うフレームワークです。
PEST分析とは
PEST分析とは、Politics(政治や政策)、Economy(経済状況)、Society(社会や文化)、Technology(技術革新)の頭文字を取ってネーミングされたマクロの環境分析に使えます。
この4つの分野で整理して、自分や自分がやろうと思っているビジネスにどのような影響や変化があるかを把握することができます。
PEST分析の使い方
STEP1:情報収集
情報を一気に集めようとするよりも、日頃から小まめに気づいたキーワードをワークシートに入力していくことをおすすめします。
僕は次のような日常の行動を通じて情報を収集しています。
- 人との会話
家族、友達、同僚、同業者、取引先、クライアントと会話するときに徹底して傾聴を心がけています。やはり人を通じた生の情報には価値の高い情報が満載です。
- 書店
特に大型書店内を歩くのが好きです。変化の兆しを反映した新しいキーワードがどんどん飛び込んできて知的好奇心が刺激されます。
- 新聞や雑誌
講演で一番ウケるのは新聞の誰も見落とすような小さなベタ記事だと竹村健一さんが言っていましたが、僕もそう思います。新聞や雑誌のメディアはしっかりとした編集過程を経て書かれているので、掲載されている記事にも見落としがち価値ある情報があります。
僕は今でも新聞や雑誌の切り抜きをしていて、クリアファイルに付箋でタグをつけて、そこにどんどん放り込むだけです。
そして定期的にファイル単位でまとめて読み返しています。これはものすごく効果があるのでおすすめです。
- テレビ
社会派ブロガーのちきりんさんも言っていましたが、今でもテレビはとても有益なメディアだと思います。
僕のおすすめはワイドショーやニュース番組ではなく、特定テーマに絞って構成された番組がおすすめです。
僕はクローズアップ現代、NHKの特集番組、カンブリア宮殿、ガイアの夜明けなどを録画して観ています。
ネットにも有益な情報はありますが、今やほとんどがパーソナライズされているので、無作為の情報収集には向かなくなってきました。
ネットを使う場合はパーソナライズ機能を外してから検索しましょう。
STEP2:情報の仕分け
STEP1で集めた情報を仕分けします。
Politics(政治や政策) | 法律や制度の成立や改正、政治的な動きなど 例)消費税のアップ、マイナンバー制度のスタート、同一労働同一賃金の導入 |
Economy(経済状況) | 景気動向、金利、為替など 例)就労人口の減少、格差の拡大、失業率、ゼロ金利政策、円高など |
Society(社会や文化) | 流行、世論、自然環境、人口動態など 例)Google検索とSNSタグによる情報検索の二極化、起業ブームなど |
Technology(技術革新) | IT動向、エネルギー転換、新素材開発など 例)クラウドサービスの浸透、AIの利活用、RPAによる業務改善など |
時代の変化をつかむためには、情報収集とと並行して、不要な情報を削除することも大切です。
・自分(自分のビジネス)に無関係な情報
・古い賞味期限切れの情報
・真偽不明の情報
ここまでで環境に影響を与える情報を集めて仕分けすることができました。
ここからは自分の固定観念を取り払い、ビジネスとして取るべき対処と方向性を明確にする必要があります。
それは次節の「SCQA」フレームワークで解説します。
まとめ
ビジネスで使えるフレームワークを知っているだけでは使いこなすことはできません。
実際にやってみて、つまずいた所やわからなかって点を明らかにして、納得いくまで自分で調べて、またやってみる。
フレームワークスキルを身につけるには、この繰り返しが大切です。
そうすることで、いったんフレームワークスキルを身につけると、自分を考えを自信をもって説明でき、時には図解や見える化をすることができ、効率的にレベルの高い仕事ができるようになります。
ぜひ取り組んでみてください。