Vol.1の記事で紹介した返報性、一貫性に続いて、Vol.2では影響力のカテゴリー第3の社会的証明、第4の好意について解説します。
※画像をクリックするとAmazonへ飛びます。
社会的証明
SNSで「いいね」の数を気にしたり、インルエンサーの発言に追従する行動がこれに該当します。
人は他の人たちが何を正しいと考えているかを基準にして物事を判断するという原理です。
多くの人が正しいと考えているということは、身の回りでは主流を占めている考え方だといえるので、損をするとか、不利益を被る確率も低くなり、リスクヘッジになるといえるかもしれません。
しかし、無意識のうちに盲目的に他に追従するだけであれば、いざという時に自分で考えて行動することができなくなってしまいかねません。
なぜそのような影響をうけるのかというメカニズムは理解しておいた方がいいでしょう。
このような影響を受ける要因のひとつに「類似性」というものがあります。
自分と似た環境や状況におかれている人の方が、そうでない人からよりも強い影響を受けるとというものです。
- すごく歳が離れた人よりも同年代の方が
- まったく違う職業よりも同じ職業の方が
- 異性よりも同性の方が
- 違う出身地よりも同郷の方が
- 知らない学校の卒業生よりも同じ出身校の方が
などです。
近しい環境にある人の判断や行動の方が強い影響を受けます。
したがって、セールスでは単なる実績をアピールするだけではなく、同業他社であるとか、小規模事業者には同じような規模の事例を紹介するといいですね。
もうひとつ影響を受ける要因は「不確かさ」です。
どう振る舞えばいいのか確信がもてない場合は、より一層、他の人の行動から影響を受けるようになります。
たとえば犯罪現場に出くわしたときに、まわりにたくさんの人がいると自分の責任や役割が不明確になります。
そういう状況であれば何もしない。
逆に現場には自分しかいなくて助けを求められると、自分の責任が明確になるので、人を助ける行動を起こす。
結局、まわりの人が多いと、そのまわりにいる人も同じように自分の責任や役割が明確ではないので、犯罪現場や緊急事態に対して誰も何も行動を起こさないということが起こってしまいます。
これは集団的無知とも言われています。
そして、「社会的証明」の影響力を使えば、トラウマも除去できる可能性もあります。
たとえば恐怖心をもつ人が、恐怖心を持たない人たちと接することで自分のなかにある恐怖心を除去できようになるという研究結果が紹介されていました。
好意
人は自分が好意を感じている人に対してイエスという傾向があるという原理です。
異性にモテる人ってこれをうまく使って、承認回答を引き出しています。
小悪魔女史とか、ね。
会社の人事評価をされた方はよく耳にする「ハロー効果」もこの好意の影響を受けていると言われています。
ハロー効果とは、ある人が望ましい特徴を一つ持っていると、ほかのことも良く見えて、評価を実際よりも高く評価してしまうというものです。
もちろん逆もあります。
坊主憎けりゃ袈裟まで憎いというものです。
この好意におよぼす要因のひとつが「身体的魅力」だそうです。
要は見た目です。
身体的な美しさが人に好意を持たれる大きな要因になります。
やはり身体を鍛えておいた方が好意を持たれやすいんですね。
もう一つの要因は「類似性」です。
ここでも出てきました。
服装が典型例として紹介されています。
制服、学生服、作業着、流行ファッションも好意に影響を与えているんだと思います。
まとめ
返報性、一貫性に続いて社会的証明、好意の章の内容について紹介させていただきました。
前回同様に言われてみれば確かにそういう影響受けていると実感できます。
しかしそれが使いこなせているかというと全然で、この本を読んで原理から理解してセールスだけではなく様々な場面使いこなせるようになりたいものです。
<関連記事>
https://koshiyan.com/archives/1511