柳井正さんを知らないという人はいないでしょう。
「ユニクロ」や「GU」を日本のみならず世界的ブランドに育て上げた立役者です。
その柳井さんが書いた『経営者になるためのノート』
圧倒的な実績に裏付けられた超実践的な内容で、ワークシートも用意されているまさに実践的教科書です。
これは書籍ではなくノート
写真を見てもらったらわかるとおり、この本は全ページに渡って余白がふんだんにとってあり、メモや気づきを書き込めるようになっています。
書籍名にある通り、まさにノートです。
なので、いつもはKindle版を購入するのですが、今回は紙の本を購入しました。
そして「まえがき」として「本ノートの使い方」の説明からはじまります。
本書の対象は「経営者」ではなく、これから「経営者になる人」で、この本で勉強したことは、そこで終わらずに実践することが求められています。
ビジネスでは「実践が伴わないお勉強」は意味ないですからね。
「とにかくやれ」と。
経営者の定義
経営者の定義ってなかなか難しいと思いますが、それをズバリ書いています。
経営者、それは「成果をあげる人」です。
ここで言う「成果」というのは「約束したこと」と書かれているので、そのまま解釈すると経営者は「約束を守る人」となります。
柳生さんの言い方でいうと、「会社の使命と成果を結びつけること」だそうです。
経営者に必要な4つの力
この本はこの4つの力の解説にほとんどのページを割いています。
やること満載です。
いきなり全部やるのは不可能なので、ひとつずつ確認しながら進めていったらいいと思います。
一つずつ確認していきましょう。
変革する力
・目標を高く持つ
・常識を疑う。常識にとらわれない
・基準を高く持ち、妥協とあきらめをしないで追求する
・リスクを恐れず実行し、失敗したらまた立ち向かう
・厳しく要求し、核心をついた質問をする
・自問自答する
・上を目指して学び続ける
常識にとらわれていては変革をもたらすことはできないので、非常識と思えるほどの高い目標を掲げて自らを追い込めるぐらいでないと常識の壁を突き破ることはできないと。
世界企業をつくるにはこれくらいやらないとダメということですね。
そして「常識を疑え」とメンタルブロックを打ち破ることも書かれています。
つまり「今までの自分」ではダメということですね。
ここで柳井さんが経営者として大きな影響を受けた本として『プロフェッショナルマネジャー』が紹介されています。
僕も読んだことがありますが、内容を忘れてしまいましたので、再読しようと思います。
儲ける力
・お客様を喜ばせたいと腹の底から思う
・あたり前のことを徹底して積み重ねる
・スピード実行
・現場、現物、現実
・集中する
・矛盾と戦う
・準備する。しかし固執するのは計画ではなく、成果である
お金をもらうための存在価値が自社のどこにあるのかを突き詰めて考えるべきであり、経営者は、計画に固執するのではなく、最終成果に固執するべきと。
つまり「お客様のために」を徹底しろと。
そして本当の儲ける力とは地道なことを徹底することが大切であることが強調されています。
チームを作る力
・信頼関係を作る
・全身全霊。100パーセント全人格をかけて部下と向き合う
・目標を共有し、一人ひとりの責任を明確にする
・任せて評価する
・期待し朝食を抜かす
・多様性を積極的に肯定する
・勝ちたいと誰よりも思い、自己変革を続ける
経営は一人でできません。
チームを機能させるためには、そのチーム内に信頼がベースにないといけません。
そして、チームだからこそ、個人単位で責任を明確にする。
これはとてもとても同感します。
個人単位の責任を明確にしておかないとすへてが主観に流されてしまい、一方的な評価に陥ります。
主観的で一方的に評価させるチームに信頼が生まれるはずはありませんからね。
理想を追求する力
・経営者にとっての使命感
・あるべき使命感
・ファーストリテイリングの使命と、心にとめてほしいこと
・使命感がもたらしてくれるもの
・使命感の実現を脅かすものと戦う
・危機に際しての経営者の行動
・理想企業を目指して、人生と対決するようにして生きる
ここは正直あまりしっくりきませんでした。
会社の存在意義ってとても難しい。
それを明確にするためには使命感を明確を大切する(ということだと思います)。
まとめ
あの柳井さんが書いた本だと構えて読みましたが、内容はいたってシンプルで実践的。
なにか難しいことが書かれているわけではありません。
経営とはそれだけシンプルで、当たり前を実行に移すことが難しい世界とも言えます。
焦らず、地道に一つずつ実行していくことの大切さに気づかせてくれる内容でした。