本を売るために、ヘタな釣り文句を書かず、成功するための要因に正面から向き合ったとても良い本に出会ったので、ご紹介します。
ロリー・バーデン著『自分を変える1つの習慣』です。
本のタイトルだけを見ると、よくある自己啓発本のように思えます。
たしかに自己啓発本には間違いないのですが、甘い事は書かれておらず、至ってストロングスタイル。
本では、「7つの法則」としてまとめられていましたが、さらに集約すると成功要因は大きく3つにあると思います。
(2)明確なビジョンを描く
(3)ビジョンを達成するために行動する
楽して成功できないことを理解する。
巷には「楽にダイエットできる」とか「短期間で英語を話せるようになる」といった楽々コースの情報があふれかえっています。
よく考えたら、「そんな簡単なわけないよね」ということは薄々気づいているはずです。
なのに、楽々コースのコピーに引っかかって、まんまと釣り上げられて(お金を支払って)しまう。
かく言う僕も、パーソナルジムに2ヶ月間通って10kg以上ダイエットしたことがありますが、案の定リバウンドしました。
当たり前です。ジムに通っている時の食事内容なんて、ずっと継続できるようなものではない。
本当に痩せるなら、現実的に食事、運動を見直して、それ相当の時間をかけて減量する必要があります。
ダイエットする。
楽器を弾けるようになる。
英会話が話せる。
ビジネスで業績を上げる。
なんでもそうですが、成功するためには、面倒くさいことや、気が進まないことでも、我慢して実行し続けなければならないのです。
これを本の中では、「エスカレーターではなく階段を使う」と表現しています。
この階段を使うこと、キツいけど正しい道を行くことを「習慣」にすることが成功の要因になるということです。
明確なビジョンを描く
自分が求めているものを、はっきりと理解することが大切です。
目的が決めっていないのに、動き出したら間違った方向に動き出してしまう。
ビジョンを明確にすることで、正しい行動を選択することができるようになります。
とくに、この「明確に」というところがポイントです。
やる気がわかないとか、努力ができというのは、『それに取り組むための理由』を、心の底から理解できていないからではないでしょうか。
とはいえ、日常には様々な取るに足らない事が起こり、心を奪われてしまいがちです。
そこで、役立つのが「ビジョンボード」
自分が実現したいと思っている画像や写真を集めてコラージュしたものを見えるとこをに貼っておくというものです。
ビジョンボードは鮮度を保つために定期的に内容を更新するといいらしい。
僕もさっそくビジョンボード作成に取り組んでいるのですが、これが楽しい。
おすすめです。
とにかく行動すること
人生に変化を起こし、結果を手にするためには「行動」しなければならない。
著者曰く、「私たちは、もう「やるべき事」を知っているのです。それを行動に移さないだけの問題なのです」と。
確かにそうかも。
成功できるかどうかは、自分が置かれている「場所」の問題ではなく、いま置かれている場所で、どう行動するか「選択の問題」なのです。
いまいる場所で全力を出し切る。
そうすると、まだまだ体験できることがあるのです。
それこそが成功への近道。
そういえば、以前読んだアメリカのレポートでは、いま勤めている会社と関係ない業界に転職したり、会社を辞めて海外へ放浪の旅へ出たりするような、ダイナミックな行動よりも、いま勤めている会社で努力しながら、許容範囲内のリスクを取って、身近なチャレンジを繰り返している人の方が成功する確率が高いという内容が書かれていた。
成功者とは、「目標に向かって全力を尽くし、自制心をもって取り組んでいる人たち」ということです。
苦しい場所から逃れて、新しい場所でゼロからスタートしても、苦しくなったら、また同じように新しい場所に移ってしまう。
ビジネスにとって、もっとも重要な行動をとれば、業績は上がるのです。
数字をベースに、本当に必要とされる行動を見極めて、エネルギーを集中させる。
気が進まないこともあるが、そんなことは関係ない。
感情に流されないことが大切です。
最大のリスクは、間違った行動をとること ではなく「行動をとらないこと」です。
まとめ
心理学の研究によれば、「人間は話すよりも7倍速く思考する」ことができます。
私たちは、思考という強力な武器をもちながら、それをうまくコントールすることは難しい。
この本をその思考をうまくコントールするヒントを教えてくれているように思います。
さらに、「意欲の喪失」に注意するこも言及されている。
成功するために意欲はとても大切ですが、一方で意欲は生モノ。
時間経過とともに、失われていきます。
その阻害要因は3つ。
恐怖、自己免除、完璧主義です。
それを避けるためには、毎日計画を立てることもコツのようです。
再読間違いない良書です。