12月の仙台駅に到着したのは、20時をまわっていた。
駅舎から外に出ると、暖冬とはいえ、東北の風が寒さをもたらした。
ホテルにチェックインして、今夜の目的地に向かった。
仙台は横丁の街である。
壱弐参(いろは)横丁や虎屋横丁など、いくつもの横丁がある。
そのなかの文化横丁はとても趣があり、お気に入りである。
横丁の入口(出口?)の近くにある「源氏」の縄暖簾をくぐったのは21時近くになっていた。
「源氏」といえば、全国にファンがいる泣く子も黙る仙台の名居酒屋。
予約はできないので、座れるか心配したが、幸運にも空きがあった。
コの字の角の席に一人で鎮座した(ちょっと椅子が低いかな)。
創業は、なんと昭和25年で、店内は、懐かしい雰囲気に満ちていた。
特に目を引くのが流動式燗付器。
これで温めた燗は、とても味わいがやわらかくなるという特徴があるらしい。
カウンターに醤油ビンだけ。
この潔さがいい。
厨房に入っていた割烹着姿の女将さんが出てきて、ご挨拶をしてから注文。
こちらは、飲み物を1杯注文するとお通しが1品セットになって出てくるというスタイルになっている。
1セットは約1,000円前後という手頃なお値段。
まずはビールで口開け。
モルツか黒ラベルが選べるみたいで、モルツを注文した。
お通しは「菜の花のおひたし」と「ぬか漬け」。
味わい深い。
ふと店内に目を向けると若い女性客が楽しそうに盃を傾けている
時代やね。
2杯目は、浦霞特別純米。
2杯目のお通しは、冷奴。
厨房で調理している方は、女将さんの息子さんらしい。
客席からお顔は拝めない。
3杯目を注文すると、魚料理が出てくるらしいのだが、この日は3軒はしごする予定があったので、2杯で失礼した。
ご馳走様でした。