僕は小さなコンサルティング会社を経営しているのですが、採用の募集をしていなくても、中途採用や仕事をまわしてほしいといった相談を受けることがあります。
特にコンサルティング会社だと、若年層からの応募はほとんどなく、中高年からの問い合わせが中心になります。
時間が許される限り、ご本人にお会いするようにしていますが、最近気になることがあります。
それは負のスパイラルに陥っている中高年が多いということです。
特にコロナ以降。
負のスパイラル
負のスパイラルというのは次のようなスパイラルをグルグル回り出すことです。
ひとつずつ深掘りしましょう。
収入への不安がある
中高年は決してお金を持っていないわけではありません。
むしろ中流階級から上に位置付けられます。
収入もかなりな額になります。
しかし、50歳代になると、役職定年や早期退職といった現実が押し寄せてきます。
60歳以降になると、もともと努めていた会社に再雇用されたとしても永遠に雇用が約束されているわけではありません。
つまり先々の収入に不安を持ちだします。
出費を抑制する
先々の収入に不安を感じるので、不要不急の出費を抑制しようと考えます。
つまり緊急度の高いものには無条件にお金を出すが、緊急度が低くて、重要度が高いものは後回しにします。
自己投資をしない
緊急度が低くて、重要度が高いものの典型例が自己投資です。
本や雑誌を読まない。
有料の研修やセミナーは受けない。
新しいITやデバイスを使おうとしない。
新しい人脈を作らない(でも、仲良しとの飲食はよく行く)。
知識やスキルが向上しない
一般的に企業は中高年に投資しません。
資格を取ろうとしても、よくて一部負担程度です。
なので、本来なら自分で自分を成長させる取り組みをしなければ、どんどん時代に取り残されていきます。
ところが自己投資しなくなれば、新しい知識を得ることもなく、スキルもアップしません。
新しい仕事がとれない
環境変化が激しいビジネスの世界で現状維持は、本人の市場価値の下落につながります。
当然、新しい仕事を取ることがどんどん難しくなります。
そうすると、さらに収入に不安を覚えます。
このように負のスパイラルがまわりだします。
負のスパイラルに陥る方の特徴
こういう方の典型的な行動特性としては、いつも同じ人と飲みに行く。
お金のかからないNPOの活動には参加する。
つまりリスクのないことならやるのです。
若年層ならまだ転職することことができますが、中高年を採用してくれる企業はほとんどありません。
しかもよほどのキャリアがないとなかなか難しいのが現実です。
負のスパイラルに陥ると、どんどん自分の市場価値が下がってしまう。
そして、この負のスパイラルの怖いところは、自覚症状がないところです。
なので、自分に思い当たる節がないか点検してみてください。
そしてもし陥っていれば、良いスパイラルに流れを変えましょう。
良いスパイラルへの転換
まず目的や目標を明確にしましょう。
すると自分にとって何が必要なのかわかります。たとえ緊急度が低くても、自分にとっての重要度がわかり、投資に対する効果も意識します。
すると自己投資は自分の未来にとても有効だとわかります。
自己投資することによって、その投資から自分が得るものもイメージしやすくなります。
そして、知識、スキルが向上し、新しい人脈ができ、新しい情報も入るようになる。
新しい仕事にチャレンジする環境が整う。
収入に対する不安がなくなっていく。
まとめ
残念ながら日本のリカレント教育は世界最低水準です。
学卒すると学ばなくなるので、自分が負のスパイラルに陥っていないか常にチェックする必要があります。
投資のないリターンを取ることは困難です。
自分に投資をして、一定のリスクをとって新しいビジネスにチャレンジしてみてください。
大きな道が開けると思います。