マーケティングの本は数あれど、むかしから定評がある本書。
かなり以前に余談ですが、いま仕事でマーケティングに力を入れていて、あらためて読み直してみました。
本の概要
この本の第1刷の発行が1994年というから、今から26年も前。
世の中には、長きに渡って読まれている名著というものがありますが、いずれの本も、その内容は時がたっても色あせません。
この本も例外ではなく、今回あらためて学び直す所がたくさんありました。
タイトルにもある通り、マーケティングにとって大切な「22の法則」によって目次が構成されています。
すべての法則を紹介することはできませんので、22の法則のなかから、これからマーケティングに取り組もうと思っている方にとって大切だと思われる3つの法則を紹介します。
おすすめの章
第1章 一番手の法則
よく他社の商品やサービスと比較して優劣を比べようとします。
しかし、他社より優位になるよりも、一番になることを優先する法則です。
なぜなら、一般の消費者は一番しか知覚できないからです。よく出てくる例ですが、日本一高い山は富士山と誰でも答えられるが、では二番は?と聞かれても答えられない。
ちなみに2位は南アルプスの北岳です
これは第2章の「カテゴリーの法則」とも関係してきますが、一番手になれないとしたら、一番手になれる別のカテゴリーをつくるようにするということも大切です。
以前、SHOWROOMの前田裕二社長が「メモの魔力」を出版した時に、「手帳」というカテゴリーはすでに糸井重里さんのほぼ日手帳やGMOの熊谷社長の手帳術などすでにシェアを取っている人がいるが、「メモ」というカテゴリーはがら空きだったので、「メモの魔力」という本にしたというコメントをしていました。
まさに、これが好例になります。
間違っても、他の商品やサービスよりも優れていることが大切だと思わないようにしましょう。
一番になれるカテゴリーを見つけることがプライオリティです。
第4章 知覚の法則
本書では、マーケティングとは商品の戦いではなく、知覚の戦いであると何度となく出てきます。
顧客や見込み客の心の中にある知覚がもっとも大切で、どうやって心中に自社の商品やサービスを知覚させるかがポイントになります。
間違っても、マーケティングとは商品の戦いであり、最終的には品質の高い商品が売れると思わないようにしましょう。
さらに、マーケティングを複雑にしているのは、消費者が自分の知覚ではなく、他の人の知覚を頼りに購入決定する点にあります。
SNSのインフルエンサーによって購買意欲がかきたてられるということはよくあることです。
そして、一度心の中に知覚が形成されると、それは容易には変わりません。
自分の知覚に合うように都合よく解釈されるようになり、購入することが正しい選択のように歪曲されることもあります。
様々な理由をつけて購入されるブランド品などが好例でしょう。
第5章 集中の法則
情報過多の現代社会において、私たちの情報処理速度はどんどん速くなっています。
早い話が気が短くなっているんです。
したがって、一瞬で興味を引くことが大切です。
目に止まった時に興味を引かれなければ、情報の山にうもれてしまいます。
見込み客に対して、商品やサービスの特長を一つの言葉で植え付けることができれば、それは強力な武器になります。
本には、フェデラル・エクスプレスの事例が掲載されていたました。
それは「翌日配送」
とてもわかりやく、強く印象にも残ります。
さらに、この集中の法則がうまくいくとハロー効果が生まれます。
ハロー効果とは、一部の好ましい印象が全体の印象に影響を与えます。
しかし、逆も考えられます
負の印象があれば、全部がマイナスに作用するということも考えられます。
まとめ
古い本ですが、まったく古さを感じさせない内容です。
マーケティングを学ぶ上で、必読の書と言えるでしょう。